【南ヨーロッパ山火事】【中国豪雨】2021年世界の異常気象についてまとめてみました
「暑い!」
今年の夏も猛暑でしたね。
もうとにかく気温が高くて暑いですよね。
オリンピックが盛り上がったのは記憶に新しいところですが、猛暑による選手の抗議や競技開始時間の変更などもあり、その暑さによる影響も見られました。
さらに九州や広島では大雨が続いて大変な地域もありましたね。
大雨による被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。
さて、日本では毎年毎年溶けてしまうのではと感じるほどの猛暑に、各地で発生する記録的な豪雨。
「日本ヤバいんじゃないの⁉」
こうした異常気象を目にすることで、こんなことを思わずにはいられませんよね。
でもこの異常気象って日本だけで起きているものなのでしょうか。
「温暖化が進んで地球が温かくなっていっているんじゃないの⁉」
「絶対地球温暖化のせいじゃん⁉」
もし地球温暖化が原因で異常気象が頻繁に起こっているのなら、異常気象が発生するのは日本だけではないはずですよね。
世界各地で異常気象が発生しているはずです。
でも日本で過ごしていると、海外の気象情報であったり、災害の報道ってあまり見ませんよね。
意識していないとなかなか海外の情報、報道は入ってこないものです。
僕も調べるまでは全く知らなかったのですが、異常気象は世界各地で発生していました。
そして、今年の夏も異常気象が発生したり、それによる被害を受けたのは日本だけではありません。
というわけで今回は、2021年夏、世界で起きた異常気象の報道を簡単にまとめたので紹介していきます。
世界で起きた異常気象。知らなかった人は是非読んでいってください。
ヨーロッパ、北アメリカを襲った熱波
ヨーロッパ南部を中心とした地中海周辺地域では、7月下旬から猛烈な暑さが続きました。
この熱波によって各地で記録的な高温が記録されました。
イタリア南部シチリア島のシラクサにおいて、8月11日に最高気温48.8℃が観測されました。
イタリアはその国土がブーツの形をしていると言われますが、ブーツのつま先部分でくっついている大きな島がシチリア島になります。
シラクサで記録されたこの気温はこれまでの記録を更新し、ヨーロッパでの観測史上最高気温となりました。
これまでのヨーロッパにおける最高気温は1977年7月10日にギリシャ・アテネで観測された48.0℃でしたが、この気温を更新することになりました。
さらにスペイン南部のコルドバでは、8月14日に最高気温46.9℃が観測されました。
また、 トルコ南部のアンタリヤでは8月3日に44.8℃が観測されました。
この熱波によって地中海地方では山火事による被害が多発することになりました。
イタリアでは、南部地方のシチリア島、プーリア州、カラブリア州を中心に山火事がとめどなく発生しており、一晩に500件以上の山火事が発生したという報道もありました。去年の夏の山火事発生件数と比較しても、その数は2倍以上に増えています。
ギリシャでも同様に山火事の発生が続いています。
ギリシャでは過去30年で最悪ともいわれる記録的な熱波に見舞われました。
ギリシャ全土で山火事が多発しており、それによる被害も過去に例を見ない深刻なものと報道されているほどです。
観光地として知られるアテネのアクロポリスの背景が、周辺の山火事の炎で一面真っ赤に染まっている映像も報道されていました。
このギリシャにおける山火事の発生原因は多くが人為的によるもので、火の不始末などが要因だといわれています。そこに記録的な熱波が襲ったことでこれほどまでに被害が拡大することになったわけです。
さらに同じ地中海地域にあり、同様に熱波に襲われたトルコでも深刻な山火事の被害が発生しています。
トルコ南西部を中心に大規模な山火事の発生が相次いで、多くの人が非難を強いられる事態になりました。
熱波に襲われたのはヨーロッパだけではありません。
アメリカとカナダの北米地域も深刻な熱波に襲われていました。
2021年6月下旬から7月にかけて、カナダ西部、アメリカ北西部の地域を中心に記録的な高温が続きました。
カナダ西部のリットンでは6月29日、なんと最高気温49.6℃を記録して、カナダ国内における最高気温記録を更新しました。
アメリカではオレゴン州ポートランドにおいて、6月28日に46.7℃の最高気温が観測されました。
この記録的な高温によって、アメリカでの山火事の被害は過去最大規模のものとなっています。
アメリカカリフォルニア州では各地で山火事による被害が発生しており、人口およそ800人の山間の町グリーンビルでは、町の大部分が消失してしまうという被害もありました。
カリフォルニア州の森林の燃焼面積は前年同時期までの比較で2.5倍ともいわれるほど、山火事の被害は大規模なものになっています。
世界各地で発生する豪雨
地球温暖化による気温の上昇は大気中の水蒸気量を増やし、豪雨も引き起こすとされています。
今年も僕たちが住んでいる日本をはじめ、世界各地で豪雨が発生し、被害が起きました。
7月中旬、ヨーロッパ中部地方、ドイツ西部を中心とした広い地域で大雨が続きました。
ドイツ西部のリューデンシャイトという都市では、7月14日の1日で、7月の平年の月降水量(97.1mm)をはるかに上回る143.0mmの降水量が観測されました。
この大雨によって河川が氾濫し広い地域で洪水の被害が拡大しました。
この洪水によってドイツやベルギーでおよそ200人に及ぶ死者が出たと報道されています。
一方、中国ではヨーロッパの洪水が発生したのと同月の7月、河南省地域を中心に記録的な大雨が降りました。
この大雨は3日間で年間降水量に匹敵する雨が降ったとされています。
これによって、大規模な洪水が発生し、300人以上の犠牲者が出るなどその被害は甚大でした。
さらに高温によって山火事被害に遭ったトルコでも8月に大雨による洪水が発生して、被害が出ました。トルコの北部地域において、大雨によって河川の氾濫が起き、洪水によって死者が出るなど大きな被害を受けました。
異常気象の原因は気候変動⁉
こうした異常な熱波や高温、そして豪雨の発生は、深刻化が進む気候変動が大きく影響を及ぼしていると指摘されています。
世界の気象災害の発生件数はここ50年で5倍に増えました。
2021年9月、世界気象機関(WMO)による1970年から2019年までの過去50年間の異常気象による被害についてのレポートで報告されています。
そしてさらに、今後気候変動によって、世界の広い地域で異常気象の発生はさらに増え、深刻化する懸念が指摘されています。
もちろん、これらの異常気象は、直接気候変動の影響を受けて発生するわけではありません。
高気圧や低気圧の停滞、偏西風などの気象条件によって熱波や豪雨は発生することになります。
しかし、異常気象を頻発させる要因のひとつとして、人類が排出する温室効果ガスによって進められている気候変動があるのは確実です。
異常気象を発生させるような気象条件も地球温暖化によって、気候メカニズムに変化が生じていることや異変が起こることで引き起こされているともいうことができます。
つまり、毎年世界の各地で発生している異常気象はすべからく気候変動が進んでいることによって、発生しているということができます。
今後も確実に異常気象の発生は増え、被害も深刻化していくことが予想されるので、既に進んでいますが、さらなる災害対策が求められるようになります。
観測史上最高といった記録的な気象が世界各地で起きているのですから、これまで気象災害の被害を受けなかったところや予想されないところなど世界各地どこであっても、予想を超える異常気象となることは十分考えられます。
人類による温室効果ガスの排出が地球温暖化を進め、それが気候変動に影響を及ぼしているのですから、当然国家レベルで、また国際的に各国が協力を気候変動対策を進めていくことが必要になります。
私たちの地球、そして私たちの命、身の安全を守るためにも私たち一人ひとりが自らができる小さなことに取り組んで、それを積み重ねていくしかないのです。
参考文献
気象省ホームページ https://www.jma.go.jp/jma/index.html
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