暑い!日本の猛暑。温暖化は進んでいるのか?気候変動についてのお話です

暑い!日本の猛暑。温暖化は進んでいるのか?気候変動についてのお話です

皆さん近頃地球がおかしくなってきているんじゃないかと感じたりしていませんか。
今年も梅雨が明けて、本格的な夏に入ったときから猛暑が続いていて、その暑さに大変な思いを感じている人はきっと多いことでしょう。
そして、この猛暑はもう毎年の恒例のようになってしまっている感が私はしています。
10数年前私がまだ子どもだったころは、夏は暑かったですが、近年のような「溶けてしまいそう」「死んでしまいそう」みたいな暑さはなかったように思います。当時も猛暑の年はあったと思いますが、毎年のその暑さが続くようなことはなかったはずです。
それが、ここ数年は毎年記録的な猛暑と呼べるような暑さの年が続いています。

さらに猛暑だけではありません。
最近では、大規模な自然災害が毎年のように日本のどこかで起こっています。
今年2021年も豪雨による被害が各地で発生しました。
静岡県や中国地方に鹿児島県と各地で豪雨による被害がありました。
最近のことなので、静岡県熱海の土石流の映像や鹿児島県で豪雨によって浸水した地域の映像は記憶に強く残っています。
昨年にも熊本県や中国地方で豪雨があり、大きな被害が発生していますし、2019年9月には台風19号が首都圏に直撃して、千葉県はじめ甚大な被害をもたらしていました。当時、神奈川県の多摩川近辺に住んでいた私も今にも氾濫しそうな多摩川の映像を見て肝を冷やしていたので、よく覚えています。

というわけで前書きが長くなってしましましたが、今回は気候変動についての話です。

今回の内容は以前に私が読んだ本である「データでわかる2030年地球のすがた(夫馬賢治著)」から、気候変動について述べられている部分を主に参考にさせてもらいながら、この本で述べられていた事実や、私が読んで皆さんにも知ってもらいたいなと思ったことなどを私なりにまとめて書いていきます。

気候変動とは

地球温暖化は進んでいるのか、いないのか。
地球温暖化は人為的な要因か、そうでないのか。
地球温暖化についてこうした議論があります。
私なんかは「いや地球温暖化は絶対進んでいるだろ、人間が進めているだろ」と感じていますが、そうではなく、地球温暖化に対して懐疑的な見解を持っている方も世の中には多く見受けられます。

どちらでも見解や捉え方はいくつかあるのでしょうが、では事実はどうなのでしょうか。

「地球は温暖化が進んでいて、その背景に人為的な要因がある」
というのは、どうやら間違いないことのようです。
国連は、科学的なデータに基づき、そのことを示してるのです。
国連機関であるICPP(気候変動に関する政府間パネル)は報告書を出していて、その中に具体的な数字が示されています。

2013年から2014年にかけて発表されたICPPの第5次評価報告書によると、
「地上の世界平均気温は、1880年から2012年の期間に0.85℃上昇している」と統計が出されました。

さらに同報告書では、地球温暖化によって気温がこの先どれほど上昇するのか
これについての予測も示されています。
今後有効な温暖化対策が取れずに、このまま気温の上昇が続いた場合、「1985年~2005年の平均気温と比べて、世界の平均気温は2100年には2.6℃から4.8℃上昇する」と予測されています。2100年には世界の平均気温が最大で約5℃も上昇する恐れもあるというのです。もちろんこれは世界の平均気温なので、気温がそれほど大きく上がらない地域もありますし、逆にこれ以上に大きく気温があがってしまう地域も考えられます。
ICPPの報告書による気温の上がりやすい地域というのは、北極圏、南極圏で、緯度が高く寒い地域で気温が上がりやすいということになります。寒い地域で気温が上昇するということは、氷の融解とそれに付随する海面上昇が大きな問題となってくることにつながります。
海面上昇については、下でまた少し触れようと思います。

最後に気候変動という言葉についてですが、日本ではよく地球温暖化と表現をされていることが多いかなという気が個人的にしています。この地球温暖化という現象は単純に気温が上がるだけではなく、気温が上昇することで豪雨の発生や台風の発生、熱波などを引き起こすことから気候変動とも表現されます。国際的には気候変動と表現することが一般的で、どちらかというとこちらの表現の方が合っているように思われます。

異常気象

この記事のはじめに書いた通り、近年日本では異常気象による自然災害やその被害がが多発しています。
これは上に説明したように地球温暖化によって引き起こしされているといえます。
そしてもちろん、異常気象が頻繁に観測されるようになったのは日本だけではありません。

西ヨーロッパでは、2019年6月に異例の熱波が観測され、フランスでは観測史上最高となる45.9℃を記録したといいます。アメリカではボストンなどの北東部において、冬が訪れると毎年のように豪雪に襲われています。一方、西海岸のカリフォルニア州では乾燥による山火事の被害が拡大し続けています。
オーストラリアでも山火事の被害はひどく、2019年から2020年にかけて発生した大規模な山火事は当時ニュースでも大きく取り上げられました。私もニュースを見てコアラなどの野生動物が死んだり、住処が奪われたりしているなんてと悲しみを覚えました。

これらの例のように、地球温暖化で気温が上昇することで、異常気象が発生しています。
次に、日本では地球温暖化によって気候や天候にどのような影響が出るのかについて、書いていきます。

日本の気候変化

日本は北半球の中緯度に位置しているため、地球温暖化による気温の上昇の影響が大きく出る地域だといいます。2100年ごろには年平均気温が全国平均で4.5℃上昇することが予測されています。
これまでも気温の上昇にしたがい、猛暑日や熱帯夜が増加して、冬日は減少をしていますが、今後さらに猛暑日は増加していくと予測されています。
地域別では、北日本ほど気温上昇が大きく、また冬日や真冬日の日数が減少し、沖縄や西日本、東日本では猛暑日と熱帯夜の日数が大きく増加することになります。
全体の降水量は減少しますが、大雨や豪雨が増える傾向にあり、降雪量も本州日本海側では大きく減少することになり、降雪期間、積雪期間も短くなることが予測されてます。

出典:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/fig/an_jpn.png

台風

台風の数はあまり変わらないか、もしくは減少するかですが、一つひとつの台風がより大きなものとなる可能性が高いと予測されています。2019年に首都圏に直撃した台風19号は記録的な大雨をもたらし、最大風速が秒速55メートルと強い勢力を持った台風でしたが、このような中心気圧が低い規模の大きい台風が日本に接近する数は増えるようななるというのです。

豪雨

短時間で集中的に大量の雨が降る豪雨については、日本ではその発生回数はさらに増えるとされています。現在でも、日本で夏を過ごしていると、豪雨の発生はひと昔まえからかなり増えていると実感しています。沖縄など南の方だけでなく、東京でも東南アジアのスコールのような雨が急に降りだすことは珍しいことではなくなっていると思います。気象庁では、全国的に1時間に50ミリ以上の雨が降る豪雨が発生する数はこれまでの2倍以上に増えると予想しています。

干ばつ

豪雨の発生回数は増えるというのだが、全体の降水量は減っていくと気象庁は予想しています。
日本のほとんどの地域で無降水日数が増加すると予想されています。
台風や豪雨による雨は増えるのですが、雨は減っていくことになるのです。
これにより、台風や豪雨が発生しなかった場合や地域では水不足となることが考えられます。日本は全国的に年間を通して雨が降る地域でしたが、これからは他の地域でみられるようにはっきりとした乾期ができることもあるかもしれません。また、雨が降らないことで干ばつ被害が数多く発生し、農作物が育たなくなるようになることも確実に考えられます。気温や降水の気候の変化は農業に多大な影響を与えることになるでしょう。

実際現在までにも一日降水量100ミリ以上の大雨の日数は増加していて、同様に1時間50ミリ以上の豪雨の発生回数は増加しています。そして無降水日数も増加をしていることとが統計から確認することができます。

海面上昇

気温の上昇により海面の上昇も引き起こされます。
温暖化によって北極や南極の氷がすごい勢いで解けだしていて、将来海面が上昇するということは皆さんもよく耳にしたことがあると思います。
日本近海の海面水位は、統計が開始された1906年から2020年までの期間では長期的に増加が続いている傾向はみれませんが、1980年以降は上昇の傾向がみられます。2020年の日本沿岸の海面水位は、平年値(1981~2010年平均)と比べて87ミリ高くなっていて、統計を開始した1906年以降で最も高い数値を記録しています。
年ごとや10年や20年周期では数値は変動が大き今後も長期的に考えた場合では、日本の海面水位は上昇することになると予測されています。

まとめ

地球が温暖化していて気温が上昇を続けていることは様々な統計や数値から確認することができます。
また、海面水温や海面水位であったり、降水量の変化も数値からみることができます。
本記事で書いてきたところでは、
世界の平均気温は、1880年から2012年の期間に0.85℃上昇している」
「世界の平均気温は2100年には2.6℃から4.8℃上昇する」
日本の平均気温は2100年には全国平均で4.5℃上昇する
日本で1時間に50ミリ以上の雨が降る豪雨が発生する数はこれまでの2倍以上に増える
という事実や予測がありました。
地球が温暖化したこと、これからも温暖化が進んでいくことは明確に示されているのです。
地球温暖化という現象は紛れもない事実であり、おそらく人為的な要因によってそれが進んでいるというのも疑いのようのないことだといえます。

現在も各地で異常気象が起こり、自然災害が発生していますが、
今後はさらにそれがひどくなっていき、被害も大きくなっていくはずです。
私たちも異常気象が起こることで地球の変化を感じることができていると思いますが、
まだまだ多くの人が地球温暖化の現状というものを理解できておらず、世界全体で地球温暖化を止めよう、地球を守ろうという動きや流れがうまくつくれていないと思います。日本でもSDGsが取り上げられるようになったりしていますが、環境問題に対しての意識はまだまだ低いと思います。
今後環境問題について、多くの人の意識が高まるように発信を続けていきたいと思いますし、
世の中全体でそういう風潮が高まるといいなと願っています。
というわけで今回は気候変動に関する話でした。

 

参考文献
データでわかる2030年地球のすがた 夫馬賢治(著)2020年
気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018~日本の気候変動とその影響~ 環境省,文部科学省,農林水産省,国土交通省,気象庁 https://www.env.go.jp/earth/tekiou/pamph2018_full.pdf
気象庁ホームページ https://www.jma.go.jp/jma/index.htm